住宅ローンの担保とは?担保なしで借りる方法と審査基準を解説!
住宅ローンを契約する際、担保の設定が必要となる場合があります。担保とは、債務者または第三者がローン契約の際に提供する資産のことです。返済ができなくなった場合に金融機関が債権の回収を行います。
価値のある担保を提供することで、債務者側はローン審査に通りやすくなるというメリットがあり、金融機関側にとっては支払いの約束が果たされず損失となるリスクを回避できるというメリットがあります。
また、住宅ローンには物的担保と人的担保の2種類があり、それぞれ役割や意味づけが若干異なります。
本記事では、住宅ローンにおける担保の役割や物的担保と人的担保の違い、有担保ローンと無担保ローンの違いなどについて詳しく解説します。
住宅ローンの担保とは?
はじめに、住宅ローンにおける担保の役割や必要な理由について詳しく解説します。
住宅ローンに担保が必要な理由
担保とは、債務者(借りる側)が債権者(貸す側)に対して提供する財産や権利のことで、返済が滞った場合の保証として設定されます。
住宅ローンを組む際は、担保の設定が必要となる場合がほとんどです。理由としては、ローンの貸付を行う金融機関が支払いの約束が果たされず損失するリスクを回避するためです。
住宅ローンは数千万円という多額の金銭を借り、その後何十年にも渡って少しずつ返済します。毎月決まった金額が返済できれば問題ありませんが、たとえば債務者の収入が不安定になり、返済が難しくなる可能性もゼロではありません。
返済が難しくなった場合にローンを回収するための手段として、担保の設定が必要とされています。
住宅ローンにおける担保の役割
担保の役割としては、債務者側と債権者側で若干意味づけが異なります。
債務者にとっては、しっかりと担保を設定することで借り入れ条件をより有利にできる可能性があります。担保の種類や価値によっては、融資上限金額が変わる可能性もあります。
一方、債権者にとっては、担保があることで万が一返済が難しくなってしまっても損失のリスクを防げるというメリットがあります。
とくに住宅ローンの場合は数千万円単位で多額の貸付を行う場合が多く、返済が滞ってしまうと金融機関としても大きな損失となってしまいます。ローン契約の際に価値ある担保を設定しておくことで、返済が難しくなった場合には売却するなどして債権を回収できるのです。
住宅ローンの物的担保と人的担保の違い
契約の際に設定される担保には「物的担保」と「人的担保」の2種類があります。ここからは、物的担保と人的担保の違いやそれぞれの特徴について詳しく解説します。
物的担保とは
物的担保とは、資産価値のあるものを返済手段として確保しておくことです。
具体的には、次のようなものが挙げられます。
- 不動産(土地、建物)
- 有価証券(株式、国債など)
住宅ローンの場合、ローンで購入したマイホームを物的担保として返済をしていくケースがほとんどです。返済が滞ったり難しくなったりした場合は、購入したマイホームを競売にかけてローンの残債分を返済する流れとなります。
株式や国債といった有価証券を担保とする場合には株価の変動があるため、融資額の上限は有価証券の資産額の60〜80%が目安とされています。
人的担保とは
人的担保とは、ローンの返済が滞ったり難しくなったりした場合に残債分を第三者に保証、または代わりに返済してもらうことを指します。
債務者本人が返済困難な状況となった場合、金融機関は人的担保の対象者に返済を請求します。
人的担保には、主に次の3種類があります。
- 保証人
- 連帯保証人
- 連帯債務者
注意点として、これらの3種類はそれぞれ義務や責任範囲が異なります。
また、ローン契約の際に人的担保を選択した場合、人的担保となる対象者の収入や資産状況、他社での借り入れ状況などもローン審査の対象となります。
人的担保対象者の収入や資産状況が審査基準に満たない場合、ローン審査に通らなかったり融資金額上限が下げられたりする可能性もあるため、注意が必要です。
住宅ローンの担保提供者の役割と注意点
契約の際に人的担保を選択する場合には、気をつけるべきポイントがいくつかあります。ここからは、担保提供者の役割と注意すべき点について解説します。
担保提供者と連帯保証人の違い
契約時に、担保として所有する不動産を金融機関に提供する人のことを担保提供者(物上保証人)と呼びます。
債務者が返済困難になった場合、担保提供者は債務返済に応じる義務はありませんが、担保に設定した資産を提供する義務があります。たとえば、担保として提供される不動産が複数人の共有名義の場合、名義を共有している人は全員が担保提供者として認識されます。
一方、連帯保証人は債務者が返済不可の状態になった場合、債務者に代わって返済の義務を負います。担保提供者には返済の義務がないため、返済義務の有無が担保提供者と連帯保証人の大きな違いです。
家族や親族を担保提供者にする際の注意点
契約時に第三者から担保を提供してもらう際は、家族や親族など関係の深い人に依頼するのが一般的です。
しかし、家族や親族を担保提供者にするには、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
- 事前にしっかりと説明して理解を得ておく
- 資産価値や権利関係を正確に把握する
- 書面による正式な契約を交わす
- 担保権が実行された場合に備えておく
家族や親族といった深い関係の人であっても、資産を担保に提供することは大きなリスクが伴います。事前にしっかりと事情を説明し、理解を得ておくことが大切です。
そして、提供される資産の価値や権利関係は正確に把握しておきましょう。正確に把握しておくことで後々のトラブルを回避することにもつながります。
また、たとえ親族であっても契約は口頭で済ませるのではなく、書面に残しておくことが重要です。万が一、返済が困難になり担保権が実行された場合の対策も考えておくとよいでしょう。
配偶者を担保提供者にするメリット・デメリット
契約の際、担保の提供を配偶者にお願いするケースも多く見られます。しかし、配偶者を担保提供者にすることはメリットもある一方、デメリットもいくつかあるため、注意が必要です。
メリット
担保の提供を配偶者にお願いするメリットは、理解が得られやすいという点が挙げられます。
配偶者以外の家族や親族であれば、事情を一から説明する必要がありますが、配偶者の場合はローン契約などの話もすでに把握している場合が多いため、ほかの家族や親族に比べて理解が得られやすいでしょう。
また、普段も一緒に生活している場合が多いため、万が一トラブルが起きたとしても力を合わせて対処できるというメリットがあります。
デメリット
配偶者を担保提供者とするデメリットは、万が一担保権が実行され配偶者が資産を失ってしまった場合に、夫婦関係に大きな影響が出るということが挙げられます。
ローンの返済をめぐって離婚や別居などになってしまった場合には、担保提供にもトラブルが発生し話がこじれてしまう可能性もあります。配偶者に担保を提供してもらう場合には、万が一離婚や別居になってしまった際にはどのように対処するのか、事前によく話し合っておくことが重要です。
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不動産担保では抵当権の設定や登記抹消が必要
不動産を担保として設定する場合、抵当権の設定や登記の抹消が必要となります。ここでは、不動産を担保にする場合の抵当権の設定や、登記手続きなどについて詳しく紹介します。
不動産担保における抵当権の設定とその役割
契約において不動産を担保とする場合、抵当権を設定するのが一般的です。
抵当権とは、不動産を担保として優先的に弁済を受ける権利のことを指します。不動産に抵当権を設定する際は、登記所で抵当権設定登記を行い、不動産に抵当権がついていることを公にするための手続きをする必要があります。
ローンの返済ができなくなった際は、抵当権が設定された不動産を金融機関が競売にかけ、売却代金をローン返済に充当します。また、不動産の売却額をローン返済に充当してもまだ残額がある場合には、債務者は引き続き返済の義務を負います。
不動産に抵当権を設定することによって、ローン返済が不可能になったとしても貸し倒れを防げるため、金融機関側は損失のリスクを回避できるというメリットがあります。
住宅ローン完済後には抵当権抹消が必要
ローン返済が順調に進み無事完済できれば、担保としていた不動産に設定された抵当権は抹消されます。しかし、ローンを全額返済すれば担保が自動的に外されるわけではなく、抵当権の抹消は別途手続きが必要です。
不動産に抵当権をつけたままにしておくと、第三者に渡った際などにトラブルに発展することもあります。ローンを完済した場合には、かならず抵当権を抹消するようにしましょう。
抵当権抹消登記の手続きに必要な書類
抵当権の設定や抹消手続きは、一般的には債務者や債権者から委任を受けた司法書士が行います。ここからは、抵当権抹消手続きに必要な書類や流れを簡単に紹介します。
ローン返済が完了すると、金融機関から抵当権抹消に必要な以下の書類が送られてきます。
- 弁済証書
- 登記済証(登記識別情報)
- 登記事項証明書
このほかに、手続きを司法書士に依頼する場合には委任状が必要です。
次に抵当権抹消登記申請書に必要事項を記載して、金融機関から送られてきた必要書類と一緒に法務局へ提出します。抵当権抹消には、不動産1件につき1,000円の登録免許税がかかるため、注意が必要です。
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有担保ローンと無担保ローンの違い
住宅ローンを組む際には、おもに「有担保ローン」と「無担保ローン」の2種類を選択できます。担保を必要とするものを有担保ローン、担保なしで契約できるものを無担保ローンと呼びます。
ここでは、有担保ローンと無担保ローンの違いやそれぞれのメリット、デメリットについて解説します。
有担保ローンとは
有担保ローンとは、契約の際に担保が必要とされるローンのことです。
住宅ローンの場合、物的担保として提供されるのは土地や建物などの不動産のほか、株式や国債といった有価証券などが挙げられます。また、人的担保として、第三者に連帯保証人や連帯債務者になってもらうという方法もあります。
ローンに担保がついていれば、債務者が返済できなくなった場合でも、金融機関が売却してローン残額に充当したり、連帯保証人や連帯債務者に弁済を請求できたりするため、貸し倒れのリスクを回避できるというメリットがあります。
そのため、無担保ローンに比べて審査条件が緩かったり、金利が低かったりする特徴があります。
無担保ローンとは
無担保ローンとは、契約の際に担保の設定が必要とされないローンのことです。一般的にカードローンなどが該当します。また、金融機関によっては不動産購入時も無担保で借りられる場合があります。
無担保ローンは、担保にする資産の審査や設定の手続きを省けるため、ローン審査や手続きの時間を短縮できる、事務手数料やそのほかの手数料がかからないといったメリットがあります。
一方で、万が一ローン返済ができなくなった場合に金融機関側としてはローン残債の回収ができなくなり、貸し倒れとなってしまうリスクを負っています。そのため、有担保ローンに比べて審査基準が厳しく、金利も高めに設定されている場合が多いです。
担保なしでも住宅ローンは借りられる
住宅ローンは、有担保ローンが一般的ですが、なかには無担保住宅ローンもあります。
ただし、無担保住宅ローンは有担保ローンに比べて融資上限金額が低く、借入期間も短く設定されている場合がほとんどです。そのため、住宅のリフォームやセカンドハウス購入などの費用に充てられるのが一般的です。
無担保住宅ローンは、有担保に比べて金利が高いといったデメリットはあるものの、審査結果が出るまでの時間が短く、手続きも比較的簡便に済ませられるというメリットがあります。
用途に合わせて、それぞれのローンを使い分けるのがおすすめです。
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まとめ
今回は、住宅ローン契約の際に必要となる担保について、物的担保と人的担保の違いやそれぞれの役割、有担保ローンと無担保ローンのメリット、デメリットなどについてそれぞれ詳しく解説しました。
担保とは、債務者がローン契約の際にあらかじめ提供する不動産や資産のことです。ローン返済ができなくなった場合、金融機関は担保から回収できるため、損失のリスクを回避できるというメリットがあります。
また、なかには無担保で借りられるローンもあります。しかし、有担保ローンに比べて借入期間が短い、金利が高いといったデメリットもあるため、よく比較検討して選ぶことが重要です。
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