不動産担保ローンが通らない?審査に落ちる理由と対策方法を解説
不動産担保ローンに申請したものの、なかなか通らないことは少なくありません。「問題点を改善したうえで再度申請したい」と考えていても、具体的に何を改善すべきかわからずお悩みの方もいるでしょう。
そこでこの記事では、不動産担保ローンの審査が通過できない理由と具体的な対策に加えて、ほかのローンの選択肢を紹介します。
不動産担保ローンに通らない理由とは?
不動産担保ローンの審査を通過できない理由として、以下の6つが挙げられます。
- すでに多くの借り入れがある
- 信用情報に傷がある
- 担保不動産の評価額が低い
- 返済能力が不足している
- 提出書類に不備がある
- 事業に安定性が見込めない(個人事業主の場合)
それぞれ詳しく解説します。
すでに多くの借り入れがある
多額の借入がある場合は注意が必要です。申込者がすでに複数の借り入れを抱えている場合、不動産担保ローンの審査で不利になる可能性が高まります。審査では、年収に対してどれほどの金額が返済に充てられているかが重視されるためです。
返済額の比率が高すぎると、金融機関は「既存の借り入れが新たな負担となるのではないか?」「返済困難に陥るリスクが生じるのではないか?」と懸念します。返済能力に見合わない返済比率は、審査通過のハードルを上げる大きな要因となるでしょう。
信用情報に傷がある
信用情報に問題がある場合、不動産担保ローンの審査が厳しくなり、通過が困難になる可能性があります。具体的には、過去に複数回の延滞や債務整理・自己破産の履歴がある場合、金融機関は返済能力に疑念を抱くため、審査に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
信用情報は一定期間、金融機関によって照会されるため、このような情報が残っていると審査通過は難しくなるでしょう。過去の履歴が審査に影響を与えることを理解し、申し込みのタイミングを見極めることが重要です。
担保不動産の評価額が低い
不動産の評価額が低い場合も、希望する融資額を受けられず、審査に通らない可能性が高まります。金融機関は、市場価値の約6~8割を基準に不動産を評価するため、自己評価より低く見積もられるケースも多いでしょう。
担保としての価値が十分でないと判断されると、返済不能リスクが高まるため、審査が厳しくなります。
返済能力が不足している
不動産担保ローンが通らない理由のなかでも多いのが、借主の返済能力の不足です。仮に他社からの借り入れがなかったとしても、年収に対する返済比率が適切でなければ審査通過は難しくなります。
たとえば、年収700万円の方が、以下の条件で不動産担保ローンを申し込むとしましょう。
- 希望金額:5,000万円
- 金利:3%固定
- 返済期間:30年
不動産担保ローンは、多くの場合、最長30年の返済期間を設定することができます。上記の例で試算すると、月々の返済額は210,802円、12か月で2,529,624円となります。
不動産担保ローンにおける返済比率の目安は、年収の30%以内が一般的です。上記で求められた年間返済額2,529,624円を年収700万円で割り、×100で算出すると、今回の試算では返済比率36%を超える計算結果となりました。
この場合、申し込みを受けた金融機関は、年収に対して返済負担が大きすぎると判断するでしょう。返済計画が現実的でないと見なされると、審査の通過は非常に困難となります。
提出書類に不備がある
提出書類に不備があると、不動産担保ローンの審査が円滑に進まない原因となります。金融機関は提出された情報をもとに審査するため、必要書類の提出忘れ・記入ミスは審査遅延の原因となります。最悪の場合には、審査に落ちる可能性もあるでしょう。
事業に安定性が見込めない(個人事業主の場合)
個人事業主の場合は、事業が安定しているかどうかも審査基準のひとつとして挙げられます。安定した収益が見込めないと判断されると、審査通過は困難になるでしょう。
具体的には、事業を始めて間もない場合や、直近の決算で赤字を計上している場合は、金融機関が融資に対して慎重になる可能性が高くなります。
不動産担保ローンの審査を通過するための基本
不動産担保ローンの審査を通過するためには、前提として、以下の基本事項を理解しておく必要があります。
- 返済能力の確認
- 不動産の担保価値の評価
- 担保価値による融資限度額の決定
ひとつずつ解説していきます。
返済能力の確認
申込者の返済能力は、不動産担保ローンの審査においてとくに重要なポイントです。ローン返済を滞りなく行えるかどうかの判断基準となるため、返済能力が高ければ、仮に不動産の評価額があまり高くなかったとしても審査に通る可能性があります。
反対に返済能力が不足していると、高額な不動産を担保にしたとしても審査が通らないケースがあるでしょう。
不動産の担保価値の評価
不動産担保ローンの審査では、担保として提供される土地や建物の価値も重要な評価基準です。土地の評価額は、市場価格の約6割と見なされ、その金額をもとに融資額が決定されます。
一方、建物の評価額は、建物の耐用年数や構造、耐火性能などを考慮して融資額が決められます。そのため、木造より耐用年数の長いコンクリート造や鉄骨造の建物の方が、比較的高い評価を受けやすいです。
建物は経年劣化による価値の減少が避けられないため、古い建物や耐用年数が過ぎた建物は評価額が著しく低下する可能性があります。重要なのは、土地と建物に関するネガティブな要素を可能な限り抑えることです。
担保価値による融資限度額の決定
借主が返済不能となった場合でも、不動産を売却することで残債を回収する仕組みの不動産担保ローンでは、不動産価値が厳密に査定されます。一般的には、担保価値が高ければ高いほど融資額は増え、審査通過の可能性も高まるといえるでしょう。
ただし、同じ不動産を担保にしたとしても、融資限度額は金融機関によって異なります。よりよい条件で融資を受けるためには、複数の金融機関から話を聞く必要があります。
不動産担保ローンの利用の流れと審査の進め方
不動産担保ローンを利用する際の基本的な流れは、以下のとおりです。
- 問い合わせ(調査)
- 申し込み
- 仮審査
- 本審査
- 契約
- 借入
上記はあくまで基本的な流れであり、融資を受ける金融機関によって異なります。詳細は必ず各金融機関に確認しましょう。
問い合わせ(調査)
不動産担保ローンを利用する際、まずは金融機関への問い合わせが必要です。多くの金融機関では、申込者が望む融資額や担保となる不動産の情報をもとに、融資可能な金額の目安を算出するサービスを行っています。
このような簡易的な調査は、電話やインターネットを通じて簡単に実施できます。実際に申し込む前に、活用してみるとよいでしょう。
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申し込み
正式な申し込みを行う際には、審査のためにいくつかの書類を準備しなければなりません。いずれの書類も、申込者の返済能力や担保不動産の評価を確認するために欠かせないものです。
必要書類の詳細に関しては、金融機関からの案内を確認する必要があります。提出の際は、必要書類がすべて揃っているか、記入漏れや記載ミスがないかなどを十分に確認しましょう。
仮審査
申し込み後、仮審査が行われます。仮審査は、申込者が本審査に進めるかどうかを判断する重要なステップです。とくに信用情報の調査が重視されており、滞納した履歴などが残っていると、審査を通過することが難しくなります。
また、不動産登記の確認も行われ、抵当権や本人情報などが精査されます。最近ではAIを活用した自動審査が仮審査に導入されているケースも増加しており、こうした場合は結果が比較的スピーディーに通知されるでしょう。
本審査
本審査とは、仮審査後に実施される審査で、融資が実行されるかどうかを決定する重要な工程です。金融機関は、提出された収入証明書といったさまざまな書類をもとに、申込者の返済能力と担保の適切さを確認します。
本審査には通常1~3週間ほどかかり、審査結果が出ると融資の可否が正式に通知されます。
契約
本審査に通過し、融資が決定した後は、契約手続きに移行します。金融機関の窓口で手続きする場合、実印や印鑑証明書、登記済権利証などの書類を持参する必要があるため、手続きする前に確認しましょう。
なお、金融機関によっては、契約書が事前に送付され、必要事項を記入したうえで、必要書類とともに返送することで手続きが完了することもあります。
借入
契約後は、契約内容にしたがって資金が振り込まれます。同時に、融資を受けた後は契約に基づいて返済義務が発生します。
借入金の返済は、不動産担保ローンの契約条件に従い、計画的に行いましょう。
審査通過のために必要な書類と準備のポイント
審査に必要な書類は、借主の属性によって異なります。共通して提出が求められる必要書類もあれば、個人または法人のみが提出しなければならない書類も存在します。
書類を提出する際は、以下のポイントを踏まえて準備を進めましょう。
- 必要書類を確認する
- 書類の有効期限を確認する
- 不備がないか確認する
- 金融機関の要求に従う
個人・法人共通の必要書類
不動産担保ローンの審査を受ける際には、以下の主な書類を準備する必要があります。
- 印鑑と印鑑証明書
- 固定資産評価証明書
- 不動産登記簿謄本
- 登記済権利証
- 公図
- 地積測量図
- 建物図面
- 建築確認通知書
金融機関によって必要な書類が異なる場合があるため、注意が必要です。
個人・個人事業主が提出すべき書類
個人や個人事業主が不動産担保ローンを申し込む際には、主に以下の書類を準備する必要があります。
- 運転免許証やパスポートなどの本人確認書類
- 住民票
- 源泉徴収票や確定申告書などの収入証明書類
- 住宅ローンの借入残高などの確認書類
- 固定資産税の納税証明書
なお、住宅ローンなどのローンを借り入れている場合は、借入残高を確認できる書類の提出が求められることが一般的です。ほかにも追加で提出が求められる場合があるため、あらかじめ金融機関に確認することをおすすめします。
法人が提出すべき書類
法人が不動産担保ローンを申し込む際、基本的には以下の書類を提出する必要があります。
- 代表者の本人確認書類
- 法人で使用している印鑑
- 商業登記簿謄本または履歴事項全部証明書
- 法人の納税証明書
- 決算書
- 事業計画書
- 借入計画書
いずれの書類も、法人の正当性や財務状況を確認するために欠かせないものです。
書類の有効期限を確認する
提出する書類には、有効期限が設定されているものがあります。たとえば、固定資産評価証明書は、不動産の公的評価額を証明する重要な書類ですが、通常、発行日から3か月以内のものが必要です。
また、本人確認書類も有効期限を過ぎていないか確認する必要があります。運転免許証やパスポートの住所が現住所と一致しない場合、公共料金の領収書などを追加提出する場合もあるため、事前に金融機関や自治体に確認しておくと安心です。
不備がないか確認する
書類を提出する前は、必ず不備がないかを確認しましょう。提出した書類に不備があると、審査が中断される可能性があります。
不備として多いのは、先に述べた書類の有効期限が過ぎているといったケースです。また、提出すべき書類が多いため、必要なものがすべて揃っているか確認しましょう。
必要書類には、市役所や法務局に問い合わせて取得する必要があるものも多く含まれているため、計画的な取得が求められます。
金融機関の要求に従う
不動産担保ローンの審査を円滑に進めるには、金融機関からの要求に従うことが不可欠です。たとえば、申込者の信用力や不動産の価値を正確に評価するために、金融機関が追加の書類提出や情報提供を求める場合があります。
このような要求があった際、迅速に対応することで審査がスムーズに進み、融資実行までの期間を短縮できます。こうした求めに応じない場合、審査を通過できる可能性が低下するため、必ず従いましょう。
不動産担保ローンの審査に通らない場合の対応策と代替手段
審査に通過できない場合は、以下の対策や手段を試してみましょう。
- 担保となる不動産を変更する
- 融資希望額を減額する
- 返済能力の向上を示す
- 別の金融機関の不動産担保ローンに申し込む
- 不動産担保ローン以外の選択肢を検討する
それぞれの対応策や代替手段について解説します。
担保となる不動産を変更する
担保となる不動産を変更することは、審査に落ちた場合の有効策のひとつです。たとえば、築年数が古かったために審査に通らなかった場合、より新しい物件や立地条件のよい物件に変更することで、担保価値を高められます。
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融資希望額を減額する
希望していた融資額が高く、審査に通らなかった場合は、金額を減らしてもう一度申請するのもよいでしょう。減額によって返済負担が抑えられるため、融資を受けられる可能性が高まります。
返済能力の向上を示す
金融機関は返済能力を重要な審査基準に定めているため、返済能力が高まったことを示せれば、融資を受けられる可能性が高まります。
一例としては、事業の売り上げが伸びており、毎月の返済額を前回の申請より引き上げられることを具体的に説明するといった方法が挙げられます。また、業務の効率化やコスト削減を図り、返済に充てられる金額を増やせることを説明するのも有効な手段です。
他社からの借入がある場合は、返済金額を増やし、再申請までに残債を減少させるのもよいでしょう。
別の金融機関の不動産担保ローンに申し込む
審査が通らなかった金融機関と異なる機関に申し込むのも一案です。審査基準は、金融機関ごとに異なるため、ほかの金融機関では審査を通過できる可能性があります。
たとえば、メガバンクに申し込んだものの求められる水準が高く、審査に通過できなかった方がいるとしましょう。この場合、ネットバンクやノンバンクに申し込むと、審査を通過できる可能性があります。
注意しなければならないのは、短期間に多数の申し込みを行うと、信用情報に不利な履歴が残る場合がある点です。むやみに申し込みするのではなく、多くとも複数社に絞って、慎重に行動するようにしましょう。
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不動産担保ローン以外の選択肢を検討する
ほかの選択肢を考えるのもひとつの手です。たとえば、リースバックを活用すれば、不動産を売却しながらも住み続けられます。ほかにも、日本政策金融公庫の公的融資制度であれば、低金利で長期の返済が可能です。
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まとめ
返済能力や信用情報、担保不動産の評価額など、不動産担保ローンの審査に通らない理由は多岐にわたります。各要素が密接に関連しているため、複数の基準を満たせていない場合、審査を通過するのは困難となるでしょう。
審査を通過するためには、各要素を改善し、金融機関に対して返済能力の高さなどを示すことが求められます。融資希望額の調整や、別の金融機関に申請することも有効な手段です。
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